ローコスト住宅コラム

ローコスト住宅をお考えの方に向けて、当サイト監修のティー工房一級建築士事務所の代表 田村悟が ローコスト住宅についてのポイントやアドバイスをコラムで定期的にお送りします。

第六回 ローコスト手法(すっぴんの美学)

最近の住宅は何かと『厚化粧』に出来てます。
お化粧を否定する訳ではありませんが、

ローコスト≒無駄を削ぎ落とす

と考えると、いわゆる「お化粧」はグレーゾーンなのかな?と思います。

住宅の構成をわかりやすくヒトに例えてみます。

■ 柱、梁などの構造材 → 
■ 水道配管や電気配線 → 血管
■ 照明などの設備機器 → 内臓
■ 床材・壁材や屋根材 → 筋肉
■ 断熱材 → 下着
■ クロスなどの仕上材 → 洋服やお化粧

ざっとこんな感じでしょうか?
ヒトだったら、骨や筋肉、血管や内臓がなければ生きていけません。
と言いますか、これで生きていたらそれは既にヒトではありません。住宅も一緒です!
柱梁などの構造材や床・壁・屋根、それに最低限水道と照明くらいはないと家とは呼べないでしょう。使わない照明など、過剰な設備は内臓脂肪と言えるかもしれません。

では断熱材はどうか?
最近では省エネルギーの観点からも、高気密高断熱を求められることが多くなりました。
さしずめ、下着の重ね着やヒートテック等の機能性下着のイメージでしょうか。従来の下着+αのイメージです。いずれにしましても、下着は着た方が快適に過ごせる事が多いでしょう。
住宅の断熱材も、やはりあった方が快適です。
風通しなどにちゃんと配慮して、正しい方法で高断熱にすれば、一般的には、より快適な家になるはずです。

さて、それでは仕上材は?
当然、仕上材の全てが無くても建物を成立させる方法はあります。内側も外側もコンクリートの打放しで仕上げた建物などは、近いものがあります。
しかし、それを住宅でやれば、それはヒトに1年中ヌードで居る事を求めるようなもの。ちょっとアブノーマルです。
それなりにカッコつけるには、モデル並のプロポーションが最低限必要でしょう。(笑)
そう考えるとやはり、外壁の仕上材などは必須アイテム。
トイレや造作する場合のお風呂など、水回りの仕上材も欲しいところ。この辺までは、洋服の部類。
それもシンプルなもので仕上れば、無駄にはならないリアルクローズ。

ではお化粧に分類される部分は何か?
壁や天井など内装のクロスなどの仕上材が該当しそうです。
もちろん、ヒトでも女性であれば外出時にはお化粧されるのが一般的。
住宅でも、クロスなどの仕上材を施すのが一般的で、全て省くのには勇気が要ります。

でも、“すっぴんの美学”ってあると思うんですよね。

ヒトの“すっぴん”は、神様の作ですので人の手ではイカンともし難い場合もありますが、
住宅はもともとヒトが作るものです。
最初からお化粧やキラビヤカな洋服で飾り立てる事を前提とせず、

labo写真

出来るだけ“すっぴん”を見せられる家

新築するなら、出来ない相談じゃないでしょう。作者たる建て主さんと設計者、施工者次第です。

よそゆきのお部屋はバッチリ化粧して、くつろぎのお部屋は“すっぴん”にする。

など、メリハリを付けるのも良いでしょう。
床の下地合板をそのまま下階の天井として見せる。もっと進めば、そのまま床材として現すことだって可能です。それだけで、天井やフローリングと言う衣服を一枚脱ぐ事が出来ます。

伝統的な日本家屋は比較的すっぴんに近い仕上げで出来てます。
床材も厚板1枚もしくは畳敷き。床板はそのまま天井板を兼ねてる場合もあります。
真壁造の壁では、柱や梁も部屋ウチに現れています。大黒柱や小屋組が現れてる場合もあります。

無論、ヒトと同様(?)“すっぴん”を保つには、メンテナンスが必要になるでしょう。
また、現代住宅で、伝統的な工法をそのまま取り込もうとすると逆に高級になってしまったりすることもあります。
ただ、その “コンセプト” は多いに学ぶべきだと考える、今日この頃です。

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